僻地医療の現状を<助ける>取り組み
ここでは僻地医療の現状と、島根県の対策を紹介します。
島根県の僻地医療の現状
島根県の医療で一番の問題点として挙げられているのが、僻地医療に対する問題。
現状として、まずは僻地で働く医師が少なく、それにより地域住民が困るだけでなく、なにより医師にも、さまざまな弊害がおこっています。
僻地で働く医師が少ないと…
島根県内への就職を希望する医学生に対して貸与される奨学金です。一度に複数の患者さんの対応ができない
医師の休みがまったくないので、休暇・スキルアップができない
一緒に働く看護師にも負担がかかる
さまざまな症例に対する知識と技術が必要になる
医師の私生活がなくなる
孤独感と責任感で精神的にもつらくなる
収入が少なくなることも
このように、僻地で働く医師に対する負担がかなり大きくなります。
医師が少ないため、幅広い医療の知識が必要となるのに、なかなか勉強する時間もない。それでいて収入も少なく、休みもない、などメリットがあまり感じられないのです。もちろん、患者さんにも影響があります。
僻地医療の患者さん・住民への影響
救急の場合でも、すぐに大きな病院に行くことができない
医師不足により、診察の質が落ちることも
僻地で働く医師の専門分野の病気でない場合、転院しなければいけない
僻地医療に対する島根県の取り組み
島根県では僻地医療に関する問題点を少しでも軽減するため、さまざまな対策を行っています。
僻地代診医派遣制度
僻地や離島等の公立医療機関で働く医師の休暇の際に、県立病院から代わりの医師を派遣する制度。これにより僻地医療を行う医師が研修や休息のために病院を休むことができます。医療機関における勤務環境の改善支援
医師の業務による負担を少しでも軽減するため、働きやすい環境づくりを支援します。 ≪例≫院内保育所の設置、医療クラークの配置、短時間正規雇用支援等地域医療支援ブロック制度
地域の中核病院から、曜日ごとに異なる診療科の医師が交代で派遣されます。これにより、患者さんや地域住民が複数の診療科を受けることができます。また、医師の孤独感・責任感を軽減したり、共同で患者さんの適切な治療を行えます。ドクターヘリによる転院搬送
僻地の病院では治療ができないような患者さん、救急患者をヘリコプターにより緊急搬送します。これにより、僻地により時間のかかる転院を短期間で行うことができ、早期治療・救急治療を施すことが可能になりました。僻地医療拠点病院を指定
地域 | 病院名 |
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松江圏 | 松江赤十字病院 安来第一病院 安来市立病院 |
雲南圏 | 雲南市立病院 町立奥出雲病院 平成記念病院 飯南病院 |
出雲圏 | 島根大学附属病院 出雲市立総合医療センター 県立中央病院 |
大田圏 | 大田市立病院 加藤病院 公立邑智病院 |
浜田圏 | 済生会江津総合病院 西部島根医療福祉センター 国立病院機構浜田医療センター |
益田圏 | 益田赤十字病院 益田地域医療センター医師会病院 六日市病院 |
隠岐圏 | 隠岐病院 隠岐島前病院 |