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ドクターコトーから学ぶ看護師としてのへき地医療

ドクターコトーから学ぶ看護師としてのへき地医療

ここでは、へき地医療をテーマにしたドラマ、ドクターコトー診療所について紹介します。

へき地医療の問題点がわかるドラマ

医師や看護師が登場するテレビドラマや映画は今まで山ほど放映されています。
その中でも、島根の現状に近い題材を取り上げているテレビドラマがあります。
それがへき地医療をテーマにした『ドクターコトー診療所』です。

ドラマでは、東京の大学附属病院に勤務していた医師が、船で6時間もかかるという離島に赴任することから始まります。そこで出会った地元出身の看護師とともに離島での過酷な医療に向き合い、島の住民との信頼関係を築いていく様を描いています。 原作は、山田貴敏によるマンガ作品で、実際単行本でも1,000万部を超える大ヒット作品となっています。ドラマも好評で、第2シリーズまで出ています。ストーリーはフィクションではありますが、主人公のモデルは実際に鹿児島の下甑島で30年もの長きに渡り離島医療をおこなってきた瀬戸上健二郎医師です。
ヒューマンドラマではありますが、その中に随所にへき地医療・離島での医療の問題点も描かれていますし、看護師として学ぶべき点もあります。

ちょっと大げさにへき地医療を描かれているのでは?

ドラマ、ドクターコトー診療所では、実際にちょっとへき地医療を大げさに描きすぎでは?と思えるようなストーリーも含まれています。
たとえば1話目から、「船の上で腹膜炎の手術を成功させる」とか、「産科医の資格、経験がないのに、診療所で分娩を成功させる」など、通常ではありえないような内容もあります。
また、舞台となっている架空の島、志木那島にはコトーが赴任する前まで、まともな医師がおらず、「心臓病を風邪と診断する医師」とか「外国人医師を呼んだら言葉が通じない」などという部分も多少オーバーなストーリーとも言えるでしょう。
コトーが赴任してたった数ヶ月間で、腹膜炎、大動脈瘤、妊娠中毒症による子癇発作、ガンなどさまざまな病気に遭遇するのも極端すぎるといえばそれまでです。

実際には、患者さんが頻繁に診療所を訪れることもなく、患者さんが来ないという日が何日もあるという状態です。
もちろんそれもドラマの序盤では描かれていますし、あり得ないことではないのですが、島に住んでいるからといって、大きな病気をしない、救急患者が出ないというわけではありません。
また、助産師のいない島で妊娠するという人もいるでしょう。そんな時に、小さな診療所では手術ができない、船では搬送できない、ヘリで搬送しようにも天候不良で飛べない、という問題点は必ずあるのです。

また、へき地医療をおこなう医師、看護師は休みがないのも現実です。代わりの医師・看護師がいないので風邪をひくこともできませんし、やけ酒をするということもできません(ドラマでは看護師がやけ酒するシーンがありますが)。もしも島根県で看護師をやっていこうとするならば、そういったへき地医療の現状をしっかり見つめなければいけません。ドラマと現実は異なりますが、一度ドクターコトー診療所をDVDで観るなり、単行本で読んでみてもいいでしょう。